米国特許出願の代理人
- 米国の現地代理人としてはPatent AttorneyとPatent Agentがいます。Patent Attorneyは、いずれかの州またはワシントンDCの弁護士資格とPatent Agentの資格を有しています。
- 米国の代理人費用は日本の弁理士費用に比べ高いです。日本同様、実務能力やクライアントとの対応力の差が激しいので、依頼する代理人は、気をつけて選ぶ必要があります。米国の特許弁護士(Patent Attorney)の手数料は、タイムフィーベースのことがほとんどで、概ね1時間につきUS$300~500です。タイムフィーの場合、些細な作業でも時間(分)あたりで請求されますので、その点を認識しておく必要があります。
- Patent AttorneyとのやりとりはAttorney-Client秘匿特権で秘密扱いにすることができますが、Patent Agentとのやりとりには同様の秘匿特権が適用されない可能性があります。
米国特許出願の出願人
- 米国では、特許出願の出願人(applicant)になれるのは発明者(inventor)に限られています。特許出願を法人に譲渡する場合、法人は譲受人(assignee)となります。
- 米国では、寛大な庁費用減額制度が設けられています。小規模体・スモールエンティティ(Small Entity)に該当する場合には、ほとんどの庁費用が半額とされます。出願人(譲受人)が、個人、製造業で従業員が500人未満の企業などの場合、Small Entityとして取り扱われます。ただし、Small Entityではない企業に特許権を譲渡予定のある場合には、Small Entityとはみなされません。
米国特許出願の必要書類
- 英語の明細書(specification)、図面(drawing)が必要です。
- 宣言書(declaration)も必要です。
- 米国代理人の委任状(power of attorney)も必要です。
- 発明者から企業等に権利を譲渡する場合には、譲渡証(assignment)も必要です。
- 必要ならば、情報開示陳述書(IDS)も提出します。
宣言書
- 特許出願時に、宣言書か宣誓書(oath)が必要になります。
- 宣言書(declaration)は、自分が発明者であることを宣言する書面です。
- 宣言書には、発明者の署名が必要です。ただし、一部の発明者が死去した場合、行方不明の場合には、一定の手続をすればその人の署名がなくても済みます。
- 宣言書を提出しないと、米国での出願日が得られません。
情報開示陳述書(IDS: information disclosure statement)
- 出願人等が知り得た情報で審査上重要な情報(公知文献、先行米国特許出願、関連米国特許出願等)は米国特許商標庁に開示する必要があります。日本語の文献の場合、必要に応じて英訳を添付します。
- 出願から登録までの間、情報開示陳述書(IDS)の提出義務、つまり情報開示義務があります。同一の主題を有する日本出願、その他の国の出願などの動向を常に気を配り、それら各国の出願について拒絶理由通知を受領した場合には、引用文献について、米国特許商標庁への提出の必要性を検討します。
米国特許商標庁費用 (2005/07/18現在)
- 出願料(filing fee)(スモールエンティティ半額)・・・300US$+4項以降の独立請求項1項につき200US$+21項移行の請求項1項につき50US$+多重従属請求項が1つ以上ある場合360US$+調査料(search fee)500US$+審査料(examination fee)200US$
- 公開公報手数料・・・ 300US$
- 特許発行料(issue fee)(スモールエンティティ半額)・・・1400US$
- 特許維持料(maintenance fee)(スモールエンティティ半額)・・・900US$(3.5年目)、2300US$(7.5年目)、3800US$(11.5年目)
- 1米国ドル(US$)は約100~120円。代理人手数料は含まず。
その他の特徴
- 先発明主義・・・発明日が最先の者に対して特許を与える考え方です。ただし、発明日を証明する必要があります。証明できない場合には出願日=発明日と考えます。
- 出願審査請求は不要・・・米国では出願審査請求制度を採用していません。特許出願されたものは自動的に審査されます。
- 仮出願制度・・・仮出願後1年以内に本出願を行う制度です。仮出願は日本語でもOK。ただし本出願は英語。
- 一部継続出願(CIP)・・・元の特許出願の内容に新規事項を追加して行う別の特許出願。元の特許出願は、日本の国内優先権の基礎出願のようには消滅しません。また、元の特許出願から1年という期限もありません。
- 継続審査請求(RCE)・・・ファイナル・オフィスアクション後に継続して審査をしてもらいたい場合に行います。ファイナル・オフィスアクション後は補正をほとんどできませんが、継続審査請求を行うことで、新規事項を追加しない範囲で補正が可能になります。
- 出願公開制度・・・出願後18ヶ月で出願内容が公開されます。ただし、米国以外への出願がない場合には出願公開しないようにすることも可能。
サイト内関連情報
- 米国IPキーワード集
- 米国特許制度でのスモールエンティティについて
- 米国特許制度での情報開示陳述書(IDS)について
- 米国特許法での新規性・非自明性について
- 米国特許法での明細書記載要件について
- 米国特許制度でのクレーム解釈について
- 米国特許商標庁ウェブサイトでの特許検索について
関連ウェブサイト
(Aug-Oct02,2004-Sep12-Sep26,2005-Mar21-May09-Jun03-Jul18-Jul25,2006 Revised)