手続の概要
香港の標準特許を取得する場合、「指定特許出願」に付随して第1段階の手続及び第2段階の手続を行う必要があります。第1段階の手続では、「指定特許出願」に基づく記録請求を行って「標準特許出願」を成立させます。第2段階の手続では、「指定特許出願」が審査を通過したところで登録・承認請求を行って「標準特許」を成立させます。
標準特許出願
1.標準特許出願の成立
- 標準特許出願は、指定特許出願の存在が前提となり、一定手続を行うことで成立します。
- 「指定特許出願」の定義は、香港特許条例(以下、条例という)第4条にあるように、以下のものです。
- 指定特許当局に提出された特許出願で、指定特許当局の法律に基づいて公開されるもの、及び
- 公開された国際特許出願で、指定特許当局の国内段階に有効に移行しているもの
- 「指定特許当局」は、特許(特許当局指定)公告第3条で、(a)中国知識産権局、(b)欧州特許庁(欧州特許条約に基づき認められイギリスを指定した特許)、(c)イギリス特許庁が指定されています。
- 第1段階の手続として、指定特許出願の公開から6月以内に記録請求をすることで、標準特許出願が成立します(条例第15条)。記録請求は、請求日認定のための請求時審査(条例第18条)、その後の形式審査(条例第19条)を経て、公開されます(条例第20条)。
2.標準特許の取下げ・補正
- 標準出願の取下げ、分割出願の記録請求、及び補正は、標準特許承認後の公開準備作業が完成するまで可能です(条約第36条)。
- 標準特許出願人は、自発補正を行えます(条約第31条)。ただし、発明の名称、要約、優先権の主張、請求の範囲、発明の説明、又は図面について補正は、標準特許出願が公開された後で、指定特許出願に対して行われた補正と同一のものでなければなりません(条約第31条)。
3.標準特許出願の維持
- 標準特許出願が公開されており登録・承認請求がされていない標準特許出願については、維持手続をとる必要があります(条約第33条)。
- 維持手続としては、記録請求公開日の後で、指定特許出願提出日の1年後の日を基準日として第5年以降の各年について維持申請及び維持料を提出します(条約第33条)。維持手続をしないと、その第5年か維持手続きが行われた年が満了した後、標準特許出願は取り下げられたものとされます(条約第33条)。
- なお、一定条件の下、取り下げられた標準特許出願を回復することができます(条約第34条)。
標準特許
1.標準特許の成立
- 標準特許出願は、以下の条件を満たすと標準特許を承認されます(条約第10条)。
- (a)指定特許出願が指定特許当局によって公開されたこと、
- (b)標準特許出願の第1段階が行われたこと、
- (c)指定特許出願について特許の承認を受けたこと、及び
- (d)標準特許出願の第2段階が行われたこと。
- 第2段階の手続としては、指定特許出願が特許された日及び記録請求の公開日のうちのいずれか遅い方から6ヶ月以内に、登録・承認請求をします(条約第23条)。
- 登録・承認請求が、請求日認定のための請求時審査(条例第24条)、その後の形式審査(条例第26条)を通過すると、標準特許が承認されます(条例第27条)。
- 正確には、指定特許出願についての特許(指定特許)が登録されることで、標準特許が承認されます。標準特許が承認された後、(a)その特許の明細書、所有者及び発明者の氏名又は名称が公開され、(b)発明証明書が申請者に送付され、(c)特許の承認が公報に掲載され公告される(条約第27条)。
2.標準特許の有効期間
- 指定特許出願の出願日が、標準特許の有効期間の基準日となる「みなし出願日」とされます(条約第38条)。そして、標準特許は、公報掲載日から発効し、みなし出願日から20年後まで存続します(条約第39条)。
3.標準特許の訂正と取消し
- 標準特許の元になっている指定特許が訂正された場合には、訂正された明細書、訂正命令、その他の書類の副本を提出する必要があります(条約第43条)。これにより、標準特許も同様に訂正されたものとみなされます。
- 標準特許の元になっている指定特許が取り消された場合には、特許取り消しの命令、その他の書類の副本を提出する必要があります(条約第44条)。これにより、標準特許も取り消されたことになります。
- また、以下の理由などで、請求に基づき裁判所により特許が取り消されます(条約第91条)。
- (a)非特許発明であること。
- (b)特許取得の権利がない者に対して特許されたこと。
- (c)極めて高度な当業者関連科学技術の者が実行できる程度に発明が開示されていないこと。
- (d)特許明細書における開示事項が出願時の開示事項を超えていること。
- (e)特許出願または特許明細書の補正によって保護範囲を拡大したこと
4.標準特許の効力
- 標準特許により以下の行為を制止することができます(条約第73条)。
- (a)特許製品について、(i)その製品の製造・使用・輸入・市場への供給、あるいは(ii)その製品の保管。
- (b)特許方法について、(i)その方法の使用、あるいは(ii)特許の所有者の同意なく第三者がその方法を知得し使用することが禁止されている場合、あるいはそのときの状況で合理的に禁止されることが明らかな場合にもかかわらず、この方法を香港内の者に使用させること。
- (c)特許方法で直接的に得られる製品について、(i)その製品を市場に提供したり使用したりその製品を輸入したり、あるいは(ii)その製品を保管すること。
費用(代理人費用は含まず)
- 記録請求料・・・380HKD
- 記録請求の公開手数料・・・68HKD
- 標準特許出願の維持手数料・・・270HKD/年
- 登録・承認請求・・・380HKD
- 登録・承認の公開手数料・・・68HKD
- 標準特許の維持手数料・・・540HKD/年
- 2005年6月14日現在。1香港ドル(HKD)は約15円。
サイト内関連情報
- 香港特許制度の概要
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- 中国特許庁(専利局)ウェブサイトでの特許検索について
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(Sep26,2005-Jun03,2006 Revised)