ソフトウェア特許とは?
一般に、ソフトウェア特許、ビジネスモデル特許と呼ばれているものは、俗称であって、法律上は、特に、他の特許と区別されていません。これらの共通点は、コンピュータ+プログラムが発明で使用されていることです。つまり、技術的にソフトウェアで実現されている発明の特許をソフトウェア特許と呼んでいます。
ソフトウェアの発明(プログラム発明)の実施形態は、主に、以下の3つに分けられます。
- PC+ソフトウェア製品・・・パッケージソフトなど
- 組込製品(エンベデッド製品)・・・携帯電話機など
- サーバ・クライアントシステムの全体又は一部・・・LAN、ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)など
ソフトウェアの特許出願が他の特許出願と異なるところ
ソフトウェア発明に関しては、特許庁の審査基準において特別な基準が設けられています。
この特別な基準は、ソフトウェア発明での「自然法則」の利用に関するものです。
審査基準によれば、「ソフトウエアがコンピュータに読み込まれることにより、ソフトウエアとハードウエア資源とが協働した具体的手段によって、使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の情報処理装置(機械)又はその動作方法が構築されること」が必要になります。
要は、発明がコンピュータ内のCPUやメモリなどを有効に活用していることが請求項から判ればよいということです。
各用語は、審査基準では以下のように定義されています。
- 情報処理・・・使用目的に応じた情報の演算又は加工をいう。
- ソフトウエア・・・コンピュータの動作に関するプログラムをいう。
- プログラム・・・コンピュータによる処理に適した命令の順番付けられた列からなるものをいう。ただし、プログラムリストを除く。プログラムリストとは、プログラムの、紙への印刷、画面への表示などによる提示そのものをいう。
- ハードウエア資源・・・処理、操作、又は機能実現に用いられる物理的装置又は物理的要素をいう。例えば、物理的装置(金物)としてのコンピュータ、その構成要素であるCPU、メモリ、入力装置、出力装置、又はコンピュータに接続された物理的装置。
なお、ソフトウェアに限らず、「自然法則」の利用は、発明が特許されるために必須なものです。
ソフトウェアの特許出願で注意すること
上記の事柄を踏まえ、ソフトウェア発明の特許出願の場合、他の発明の場合に比較して、さらに以下の点に注意します。
- 審査基準に従って「自然法則」の利用を書面内で(特許請求の範囲および明細書の双方で)明示する。
- 特許率が他分野より統計上低いことを踏まえ、詳細な技術事項も漏れなく書面に記載する。
具体的には、特許請求の範囲、明細書及び図面を作成するとき、以下のことに気を付けます。
- ソフトウェア製品の場合には、コンピュータのハードウェア資源(メモリ等)の使用を十分に明記する。
- 請求項として、プログラムによる個々の装置の機能、及びプログラムの請求項を作成する。
- 装置やシステムに使用される要素技術を明確かつ正確に把握し、その要素技術と発明とが矛盾しないように実施例、その変形例を記載する。
- データ構造、制御フロー、データフローについて詳細を記載する。ソフトウェア発明の場合、発明の説明が、構造の説明というより機能・作用の説明となるため、抽象的にならないように「どのような」データが「どのように」処理されるかを具体的に書く。
ソフトウェア発明に関する要素技術とは
例えば、以下のものが、ソフトウェア発明に関する要素技術になり得ます。
- ソフトウェア技術・・・OS(Operating System), API(Application Program Interface), GUI(Graphical User Interface), データマイニング, 暗号化・認証アルゴリズム, XML(eXtensive Markup Language), CGI(Common Gate Interface), μITRON, JavaTM, etc.
- ハードウェア技術・組込技術・・・USB+device class, IEEE1394, ARMTM, CPUの並列化, etc.
- 通信技術・・・CDMA, TDD, FDDといった通信方式、EthernetTM、無線LAN(IEEE802.11a/b/g), ATM(Asynchronous Transfer Mode), etc.
- ネットワークプロトコル・・・IP, IPv6, TCP, UDP, VoIP(SIP,H.323), L2トンネル, VPN, IPsec, VLAN, etc.
- 必要に応じて仕様書やRFCなどで内容を確認。
(Aug,2004-Jul25-Sep26,2005-Mar21-May11,2006 Revised)