請求項とは
請求項とは、特許出願する際に願書に添付する書面「特許請求の範囲」に記載する事項です。請求項は、請求項1、請求項2、・・・などと、1または複数の請求項を記載します。
例えば、
【請求項1】FR(フロントエンジン・リアドライブ)方式であることを特徴とする自動車。
【請求項2】アルミニウム製エンジンブロックと、アルミニウム製のボディとを有することを特徴とする請求項1記載の自動車。
などとします。
請求項2のように、既出の請求項を引用するものを俗に従属請求項といい、請求項1のように、他の請求項を引用しないものを俗に独立請求項といいます。他の請求項を引用した場合、引用先の請求項も含むことになります。なお、ここでは、請求項の構造の説明をするため、簡単な例とし、新規性などは考えていません。
1つの請求項は、1つの技術的範囲(どういった技術的な範囲で特許権がほしいか)を示します。さらに言えば、1つの請求項の記載で、その請求項の技術的範囲に含まれるか否かの境界が決まります(なお、ここでは均等論は考えません)。
記載上のポイント
請求項を記載する際に重要なのは、「何が技術的範囲に含まれるか」と「何が技術的範囲に含まれないか」の2点を常に意識するということです。
発明者が創作した発明は、1つの装置(電気の場合には回路、機械の場合には機構)などに具現化されていることが多いです。そして、その具現化されたモノから、請求項の文面を作成します。そのとき、その装置について何が従来技術(公知な技術)であるか、その装置の発明に関して必須の構成要素は何であり他のもので代替可能な構成要素は何かを把握する必要があります。
必須の構成要素を含む請求項の素案を作って、「技術的範囲に含まれるもの」をイメージすると同時に「技術的範囲に含まれないもの」をイメージします。そして、請求項に使用する言葉、句、文を調整して、「何が技術的範囲に含まれるか」と「何が技術的範囲に含まれないか」との境界が、発明者に具現化されたモノと従来技術との間に来るようにします。例えば、上の例では、FR方式のスポーツカーは請求項1の技術的範囲に含まれますが、RR方式のバスは請求項1の技術的範囲に含まれません。
その際、1つの言葉を追加するときに、常に、「何が技術的範囲に含まれるか」と「何が技術的範囲に含まれないか」を考えることが重要です。言い換えれば、「何が技術的範囲に含まれるか」というのは、発明にどのような特徴があるかという視点となり、「何が技術的範囲に含まれないか」というのは、発明者と従来技術とをどのように区別するかという視点となります。
例えば、仮に従来技術がスチール製のボディの自動車である場合に、アルミボディが、発明の特徴であり、従来技術と区別するための事項であれば、上の請求項2のように「アルミニウム製のボディ」を追加することになります。これにより、スチール製のボディを有する自動車は技術的範囲外となります。
複数の請求項
発明者により具現化されたモノと従来技術との間が広い場合(つまり、進歩性が十分ある場合)には、一番広い請求項では、技術的範囲の境界を従来技術寄りにし、他の請求項では、段階的に、その境界を、発明者に具現化されたモノ寄りにしていきます。発明者により具現化されたモノと従来技術との間が狭い場合(つまり、あまり進歩性がない場合)には、狭いところに技術的範囲の境界をもってくるため、請求項の数は少なく、技術的範囲の広さは、発明者により具現化されたモノと近くあるいは同じになります。
(Sep06,2004-May11-Jul19,2005-May28,2007 Revised)
(注)上記イタリック部分の誤記をご指摘いただきました(修正済み)。ありがとうございました。2007.05.28